2026年06月24
不動産投資の基礎
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2025年12月、日本銀行は政策金利を0.50%から0.75%へ引き上げました。
約30年ぶりの高水準であり、2026年中にもさらなる利上げが見込まれています。「金利のない世界」を前提にしてきた不動産投資ローンの常識は、いま大きく変わろうとしています。
この記事では、金利上昇時代における不動産投資ローンの組み方について、以下の内容を解説します。
これから不動産投資ローンを組む方、すでに変動金利で借りている方の両方に役立つ内容です。
目次(Index)
日銀は長年続けてきた金融緩和政策を転換し、2025年12月に政策金利を0.50%から0.75%へ引き上げました。2026年中にもさらに1〜2回の追加利上げが見込まれており、政策金利は1%台に達する可能性が高いとされています。
短期の政策金利だけでなく、長期金利(10年物国債利回り)も2%台へ上昇しています。投資用ローンの固定金利は長期金利の影響を受けやすいため、固定金利を検討する際は長期金利の動きも合わせて確認しておく必要があります。
金利上昇の背景には、主に以下のような要因があります。
一方で、不動産市場そのものは賃料上昇や旺盛な投資需要に支えられており、急激な悪化は想定しにくいというのが多くの専門家の見立てです。
重要なのは「金利上昇のスピード」であり、緩やかな上昇であれば賃料上昇とのバランスが取れますが、急激な上昇が起きた場合は一時的にキャッシュフローが悪化するリスクもあります。
多くの金融機関で「半年ごとに見直し、5年間は返済額が変わらない」といったルールが採用されている
3年・5年・10年などの期間だけ金利を固定できるタイプです。固定期間終了後は再度、固定か変動かを選び直せるため、「当面は安定させたいが、将来の選択肢も残したい」という人に適しています。固定期間が長いほど当初金利は高くなる傾向があります。
どちらが正解ということではなく、自分の資金計画・保有期間・リスク許容度に合わせて選ぶことが大切です。
借入金額5,000万円・返済期間30年・元利均等返済を前提に、金利別の返済額を比較してみましょう。
| 金利 | 月々の返済額(目安) | 年間返済額(目安) |
| 1.0% | 約16.1万円 | 約193万円 |
| 1.5% | 約17.3万円 | 約207万円 |
| 2.0% | 約18.5万円 | 約222万円 |
| 2.5% | 約19.8万円 | 約238万円 |
金利が1.0%から2.0%へ上昇するだけで、月々の返済額は2万円以上、年間では約30万円増加します。
仮に借入金額が1億円であれば、上記の差はそのまま2倍になり、年間で約60万円の差が生まれます。複数物件を保有している投資家であれば、その影響はさらに大きくなります。重要なのは、こうした上昇分を賃料収入や手元資金で吸収できるか、契約前にあらかじめ確認しておくことです。
頭金を厚くすることで借入額そのものを減らせば、金利が上昇しても返済額への影響を抑えられます。フルローン・オーバーローンにこだわらず、無理のない借入比率を意識することが、これからの時代はより重要になります。頭金を10%増やすだけでも、金利上昇時の月々の負担増加分を相殺できるケースは少なくありません。
すでに変動金利で借りている場合は、固定金利への借り換えや、固定期間選択型の活用を検討しましょう。借り換えには事務手数料や登記費用などのコストがかかるため、残りの借入期間・金利差・保有予定期間を踏まえたシミュレーションが欠かせません。残存期間が長く、保有を長期で考えている場合ほど固定化のメリットが出やすい傾向があります。
返済期間を延ばすことで月々の返済額を抑えられますが、総支払額は増える点に注意が必要です。逆に、キャッシュフローに余裕がある場合は一部繰り上げ返済で借入残高を減らし、金利上昇の影響を緩和する方法もあります。
金利・融資条件は金融機関によって差があります。1つの銀行だけで判断せず、複数行で条件を比較することで、有利な条件を引き出せる可能性があります。複数の物件を所有する場合は借入先を分散させることで、特定の銀行の金利方針変更による影響を受けにくくなります。
金利上昇の影響は物件の利回りや所有者の属性によって異なります。借り換えのタイミングや返済計画は、不動産投資会社やファイナンシャルプランナーに相談しながら、複数パターンでシミュレーションすることをおすすめします。
5-1. Aさんのケース(変動金利を継続)
Aさんは5年前に変動金利1.0%で5,000万円を借り入れました。当初は低い返済額で運用できていましたが、金利上昇により返済額が徐々に増加。賃料収入とのバランスを見ながら、一部繰り上げ返済と固定期間選択型への切り替えを組み合わせることで対応しました。
5-2. Bさんのケース(早めに固定金利へ切り替え)
Bさんは金利上昇の兆しが見え始めた段階で、固定期間選択型(10年固定)に切り替えました。当初の金利はAさんより高めでしたが、その後の金利上昇局面でも返済額が変わらないため、安定したキャッシュフローを維持できています。
どちらが正解かは、保有期間や資金計画によって異なります。重要なのは「いつ、どのような基準で見直すか」をあらかじめ決めておくことです。
金利が上昇すると、借入コストが上がり、投資家が許容できる物件価格の上限が下がる傾向があります。
借入コストの上昇に伴い、期待利回りが上昇し、相対的に物件価格に下押し圧力がかかりやすくなります。
ただし賃料上昇が続く限り、価格の下落は緩やかになりやすいといえます。
実際に、賃料を引き上げられた既存オーナーの割合は増加傾向にあり、家賃が一方的に下がっていくという従来の前提も変わりつつあります。
金利上昇局面では「利回りの数字だけ」を見るのではなく、賃料上昇が見込めるエリア・物件かどうかという視点が、これまで以上に重要になります。
賃貸需要が安定している駅近・都心部エリアを優先しましょう。同じエリア内でも沿線・駅からの距離によって賃料の底堅さが異なるため、ミクロな立地分析を怠らないことが重要です。
築年数・設備・周辺相場を確認し、賃料の上昇余地があるかどうかを見極めます。管理会社や設備の質も、長期的に賃料を維持しやすいかどうかに影響します。
利回りだけでなく、空室リスクや将来の売却(出口戦略)まで含めて判断することが大切です。借入額に余裕を持たせ、金利上昇シナリオでも収支が崩れないか事前に検証しましょう。
固定金利への切り替えを急ぐあまり、借り換え手数料や違約金を十分に確認せずに契約してしまうケースがあります。金利差によるメリットが、手数料を上回るかどうかを必ず事前に計算しましょう。
頭金を増やすことは有効な対策ですが、入れすぎると急な修繕費用や空室期間の資金繰りに支障が出ることがあります。生活防衛資金や予備費を残した上で、無理のない範囲で調整しましょう。
変動か固定かを一度決めたら見直さない、というのもリスクです。半年〜1年に一度は金利環境と自分の借入条件を見直し、必要であれば柔軟に対応する姿勢を持ちましょう。
ローンの見直しを検討する際は、以下の項目を確認しておくと判断がスムーズになります。
残りの借入期間が長く、保有を長期で考えている場合は検討の価値があります。一方で、近い将来に売却を予定している場合は、切り替えコストに対してメリットが小さいこともあります。
金利だけで判断するのではなく、賃料動向や立地の将来性も含めて総合的に判断することが大切です。金利上昇局面でも、賃貸需要の強いエリアであれば十分に成立する投資は数多くあります。
一律の正解はありませんが、金利上昇時のシミュレーションを行い、返済額が2%程度上昇しても無理のない範囲かどうかを基準に考えるとよいでしょう。
現在の金利と借り換え後の金利差、借り換えにかかる費用、残りの借入期間を踏まえて損益分岐点を計算するのが基本です。判断が難しい場合は専門家に相談しましょう。
金利のある世界への移行は、不動産投資のリスクと同時に、賃料上昇という追い風も伴っています。重要なのは、変動・固定どちらか一方に偏るのではなく、自分の資金計画やリスク許容度に合わせてローンの組み方を柔軟に見直すことです。
頭金の調整、固定金利への切り替え、返済方法の見直し、借入先の分散、そして専門家への相談。これらを組み合わせることで、金利上昇局面でも安定した不動産投資を続けることができます。
ANDCROSSでは、金利環境の変化を踏まえた資金計画のご相談や、エリア・物件選定のサポートを行っています。ローンの組み方に不安がある方は、お気軽にお問い合わせください。
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