TEL:06-6252-2777
(受付時間:10:00〜19:00 当社休日除く)
「はじめての不動産投資ガイド」プレゼント
シニア不動産投資家にとって頭を悩ませる相続税対策。できるだけ残された家族に財産の整理や相続税で困らせないように生前の相続対策は必要不可欠です。
特に、不動産投資の生前贈与は相続税対策として節税効果があります。不動産は税制優遇や相続税の評価額を少なくすることができます。
今回は不動産の生前贈与が相続税対策に有効的な理由を詳しく解説します。
生前贈与とは、資産保有者が死亡する前に他者へ贈与することです。相続との違いは保有者が死亡した後に資産を引き継がれるところに大きな違いがあります。
生前贈与は亡くなる前に保有資産を減らすことができるので、相続税を減税するためにかなり有効的です。
但し、贈与を受けた方は贈与税を支払う必要があります。条件を満たせば贈与税がかからない場合や贈与税が課税されても抑えることも可能です。
生前贈与は暦年贈与か相続時精算課税制度のどちらかを選びます。暦年贈与と相続時精算課税制度の違いは下記の通りです。
【暦年贈与】
【相続時精算課税制度】
注意点は一度、相続時精算課税制度を活用すると暦年贈与に変更ができない点です。資産の性質によりますが、暦年贈与に向いた財産なのか、相続時精算課税制度を活用することで節税効果があるのかを見極める必要があります。
生前贈与を行うと、贈与税がかかります。贈与税の基礎控除額は110万円です。課税評価額が110万円以下の場合は非課税となります。贈与税は年間の基礎控除後の課税価格によって段階的に納税額が算出されます。
【贈与税の計算方法】
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | なし |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
そして、贈与税は非課税である110万円以下の場合は申告が不要になります。暦年贈与を行う場合、申告を必要としない、年間110万円を超えない範囲で行うケースが多いです。
投資不動産を生前贈与することで相続税対策に役立ちます。不動産は現金や有価証券、生命保険で贈与するより、課税評価額が低いので相続税の節税効果があります。特に不動産で生前贈与を行うことで、贈与した時点で相続税評価額が計算されます。
さらに、投資不動産で生前贈与するメリットは、借家権割合が適用される点です。借家権割合とは第三者に貸出ししている部分を指します。例えば、賃貸アパートの場合は入居中の居室部分になります。
投資不動産に入居者がいる場合、固定資産税評価額から借家権割合が除かれます。投資不動産は課税評価を大きく減らすことができるので節税になります。
投資用不動産を生前贈与するメリットは何よりも節税効果が大きいのがポイント。現金や有価証券よりも投資不動産で生前贈与するメリットを項目別に解説します。
不動産を相続時精算課税制度を活用して贈与する場合、2,500万円までの特別控除が受けることができます。さらに、投資不動産の贈与で、子や孫に収益が入るので相続税がかかることがありません。大きな資産がある場合、暦年贈与より相続時精算課税制度を活用して生前贈与を行うとより節税効果が期待できます。
投資不動産で生前贈与を行うことで、保有財産が増えても課税される財産が少なくなります。財産が増えても、贈与者の所有資産を少なくすることによって相続税の抑制に効果があります。
そして、相続財産は自分が亡くなるまでに増えることもあります。例えば、事業を経営されている方は利益が多くなるケース、投資不動産によって家賃収入を予想以上に得る方もいるでしょう。生前贈与で資産を子や孫の名義にして、課税される資産を減らすことができます。
不動産は現金や有価証券より相続税評価額を抑えることができます。相続税は資産の課税評価額を根拠に税額を定めています。
現金や有価証券、車などの動産は課税評価額が時価に近い金額で計算されます。しかし、不動産は税制優遇や贈与した時点での課税評価額が適用されるので、将来的に相続税評価額を抑える効果があります。
投資用不動産を生前贈与するにあたって、3つの注意点を解説します。
投資用不動産を生前贈与することで登録免許税と不動産取得税がかかります。登録免許税は不動産評価額の2%、不動産取得税は土地と家屋それぞれ3%です。
例えば、不動産評価額が1,000万円の土地を生前贈与した場合、登録免許税は20万円、不動産取得税は30万円になります。
一方、投資不動産を相続した場合は登録免許税が0.4%、不動産取得税はかかりません。投資不動産を贈与した場合と相続した場合では税金面で大きな差があります。
税金面で不利にならないように納税試算を行ってから生前贈与するのかを検討することをおすすめします。
生前贈与を行う場合は小規模宅地の特例を併用することができません。
小規模宅地の特例は投資不動産で200㎡までの宅地に対して、最大50%の軽減措置が適用されます。
例えば、相続税評価額が6,000万円、敷地面積が200㎡の宅地の場合、6,000万円に対して、50%の軽減措置が行われるので相続税評価額は3000万円となります。
しかし、相続時精算課税制度を活用した生前贈与の場合、贈与時点で不動産の所有権を移転していることになるので、小規模宅地の特例と併用することができません。
贈与不動産の相続税評価額によりますが、生前贈与か相続のどちらの方法が節税になるのかを考えて検討しましょう。
投資不動産は資産価値が下がる可能性があることも認識しましょう。不動産の価格は市況によって変動します。生前贈与を受けた時より資産価値が高くなることもあれば、下がる可能性もあります。市況による価格変動は自分たちでコントロールすることはできません。
しかし、投資不動産の価値を下げない努力はできます。投資不動産の資産価値を下げない努力とは駅に近い物件を選ぶ、空室を出さない、建物の維持と管理を行うことです。どんなに築年数が経過してもできる努力をすれば、資産価値の保全につながります。具体的に資産価値を下げないアクションについて挙げました。
物件選定時から駅に近い立地や生活利便性が高い立地を選ぶ、普段から投資物件の建物をきれいに保つなど入居者に好まれる物件にすることが重要です。これらを行う事で投資不動産の資産価値を保つことができます。
投資不動産を生前贈与するためには、法的効力がある手続きが必要です。手続きは順序があり、必要書類の収集に手間と時間がかかります。生前贈与するためのステップを詳しく紹介します。
投資不動産を生前贈与する場合には贈与契約書を作成します。贈与契約書とは、該当する財産を誰に贈与するかを書き記す契約書です。
贈与は口頭でも成立しますが、口約束だけだと本当に贈与されるのか不安になります。贈与契約書を作成すると、確実に贈与の履行が約束されます。そして、贈与契約書があることで贈与の証明と税務調査の際に贈与したことが主張できます。
贈与契約書の作成方法は文章ソフトでの作成もしくは直筆のどちらでも作成可能ですが、署名は自筆で実印での押印が必要です。さらに契約書の内容を明確にするために一番重要な事項を下記にまとめました。
これらの内容を必ず明記をして、贈与者と受贈者それぞれ一通を保管しましょう。
投資不動産を生前贈与するには名義変更の登記を行います。生前贈与をする場合、不動産は受贈者の所有となるので登記の名義変更が必要です。
法務局に名義変更の登記を行う前に必要書類を揃える必要があります。しかし、名義変更の登記の書類作成はかなり煩雑です。自分で作成するには、時間と労力がかかります。多くの不動産投資家の方は司法書士に依頼します。
司法書士など生前贈与のプロに任せると費用がかかりますが、自分で登記の書類を揃える手間を考えると時間を掛けないで簡単に対応できます。特に複数の不動産を抱えている方は、生前贈与に強い司法書士に依頼することをおすすめします。
名義変更の登記書類を揃えたら、法務局で登記申請を行います。法務局の場所は投資用不動産がある所在地の管轄法務局に提出します。
生前贈与の手続きを司法書士に任せている方は全て司法書士事務所で行うことが多いです。登記手続きは申請当日に完了しますが、登記簿謄本や権利関係書類は後日、発送になります。
生前贈与は相続税対策に有効的と言えます。贈与した額に応じて贈与税が課税されますが、非課税枠や相続時精算課税制度を活用することで対策可能です。
特に投資不動産での生前贈与は現金や有価証券、生命保険より節税効果が高いです。
特に相続時精算課税制度を活用した投資不動産の贈与は、贈与した時点での相続税評価額が適用されます。不動産の価値が高くなった場合、低い時点の相続税評価額で算出されるので、高い節税効果があります。
投資不動産の生前贈与は節税効果がありますが、注意点もあります。生前贈与の不動産登記は登録免許税と不動産取得税がかかります。しかし、相続の場合は登録免許税の税率が2%と低く、不動産取得税はかかりません。さらに小規模宅地の特例と併用できませんので、税額計算を行う事が重要不可欠です。
将来的に相続税は増税傾向になります。早めの生前贈与で相続対策を検討しましょう。
「はじめての不動産投資ガイド」プレゼント