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所有している投資物件の経年劣化を減価償却費として経費計上することができます。減価償却費は実際には支出が無いにも関わらず、経費として計上できるので、本来課税される所得を減らすことができます。これが不動産投資で節税できる仕組みになります。不動産投資の節税は怪しいと言われますが、これは法律上問題ない節税方法になります。
減価償却は投資物件の建物または建物関連設備のみしか行えないので土地部分は含めません。土地は経年劣化という概念がないためです。
ちなみに他にも不動産投資のローンの利息(建物部分)、固定資産税、その他の諸経費を経費に計上することもできます。経費に計上できる項目は下記の記事を参考にしてください。
関連記事|不動産投資で経費計上できる項目とできない項目のまとめ一覧【確定申告の方法も解説】
不動産投資で得た所得は本業の給与所得と損益通算することができます。つまり、本業の給与所得が黒字で、不動産投資で赤字が発生している場合、給与所得から不動産投資の赤字額を引いた所得が課税される所得になるため節税効果が期待できます。
減価償却費は投資物件の構造に合った法定耐用年数に基づいて、一定期間に一定額ずつ償却することになります。つまり、法的耐用年数が短いほど、毎年償却できる金額が増えます。
例えば、購入価格3,000万円のマンションで建物2,600万円、設備費400万円として定額法で減価償却費を計算してみます。マンションは鉄筋コンクリート造で、耐用年数47年(償却率0.022)、設備は耐用年数15年(償却率0.067)という設定です。
2,600万円×0.022=572,000円(本体の減価償却費/1年)
400万円×0.067=268,000円(設備の減価償却費/1年)
⇒合計84万円
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所得税は給与所得額に応じて課税される税金です。不動産投資で発生した赤字額を給与所得と損益通算することで節税ができます。日本では所得税に超過累進課税制度が設けられており、年収が増えれば増えるほど所得税として税金を支払う必要があります。
所得税は累進課税のため、次のとおり課税所得金額に応じた7段階の税率が設けられています。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
出典:国税庁「所得税の税率」
個人住民税の税率は区市町村民税6%、道府県民税・都民税4%で合計10%となります。
住民税も所得税と同じように給与所得額によって課税額が決まる税金になります。住民税は毎月の給与所得から引かれている人が多いでしょう。
住民税は前年の1月1日〜12月31日までの所得から計算する「所得割」と所得額に応じて一定額を納付する「均等割」を合算して納税する必要があります。
標準税率(所得割):10%(都道府県民税4%+市区町村税6%)
計算方法:住民税=所得割+均等割
相続税は相続したモノに対する税金になります。相続するモノを現金ではなく不動産などの現物資産にすることで、相続税評価額が抑えられて節税効果が期待できます。
相続税を現金から不動産に置き換えることで、不動産価格の約50〜60%程度の相続税に抑えることができます。
贈与税は第三者から無償で資産を受け取った場合に発生する税金になります。贈与税は1年間で110万円を超える資産を受け取ると対象になります。
贈与税も贈与するモノによって税率が異なる税金です。こちらも現金より不動産であれば、約20〜30%の税率を抑えることが可能です。
父母・60歳以上の祖父母などの親族から20歳以上の子供・孫に贈与する場合に適用される相続時精算課税制度があります。
不動産投資は個人事業主で行うよりも法人として行う方が税金の負担が減ります。個人事業主で不動産投資を行った場合、所得税・住民税の最大税率は55%になりますが法人の場合最大33%に抑えることができます。
不動産投資で節税をすべき人は課税所得が900万円以上の人になります。理由としては、課税所得900万円以上になると所得税・住民税率が約33%と大きくなり、節税効果が高まるラインになるためです。
逆に課税所得が900万円以下の人は不動産投資を行うリスク以上のリターンが得られにくいため、節税だけを目的とした不動産投資に向かないでしょう。
しかし、不動産投資が5棟10室以上の事業的規模となった場合、青色申告で確定申告することで最大65万円の特別控除を受けることができます。これによって課税所得が900万円以下の人でも不動産投資で節税が可能になります。
最大65万円の特別控除は複式簿記でe-Tax申告を行うことが条件になります。
これまでに不動産投資が節税効果があることを説明してきましたが、節税だけを目的とした不動産投資は要注意です。不動産投資で効果的に節税するには、基本的に年収1,200万円以上ある必要があります。課税所得が900万円を超える人になります。
課税所得が900万円を超えると所得税・住民税率が約33%となって譲渡税率との差が大きくなるので不動産投資で節税効果が高まります。
不動産投資を行う上で最も注意が必要なのは空室リスクです。賃貸需要がないエリア、入居者が選ばない投資物件に手を出さないようにしましょう。
区分投資でマンションやアパート一室を所有している場合、入居者が付かないと家賃収入が得られなくなり、毎月のローン支払いを自費で賄う必要が出てきます。
周辺エリアの投資物件を調べてみて入居状況を確認しましょう。空室が多い場合、入居者が敬遠しているエリアの可能性もあります。
不動産投資で赤字計上を続けることで、金融機関からは経営不振と見なされ、今後の投資物件の買い増しの際に、不動産投資ローンを組むことができなくなる可能性があります。
不動産投資ローンと住宅ローンのダブルローンを組むことで、毎月の支払い額が増える中で急な出費等により、支払いが滞る可能性があります。
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。
青色申告は税の優遇措置がありますが、白色申告にはないので、青色申告で確定申告をする方がメリットが大きいと考えられています。
申告時に必要な書類があり、青色申告には「確定申告書B」と「青色申告決算書」、白色申告は「確定申告書B」と「収支内訳書」の提出が必要になります。
青色申告をするメリットとしては条件はありますが、65万円の控除が受けられる「青色申告特別控除」と翌年3年間赤字を繰り越して黒字で相殺して課税金額を抑えることができる「純損失の繰越控除」があります。
青色申告申請が終わったら、確定申告の準備を進めていきます。確定申告の流れは下記になります。
順番に説明していきます。
確定申告の際には、不動産投資関連の書類一式を準備する必要があります。
確定申告書は国税庁の確定申告書等作成コーナーで画面に沿って金額を入力するだけで作成・送信を行うことができます。確定申告書等作成コーナーで作成できる書類は下記になります。
作成した書類はe-Taxで電子申告または印刷して郵送等で提出することもできます。
確定申告書の提出期限は毎年2月16日から3月15日となっており、期限を過ぎると無申告加算税やペナルティが発生することがあるため期限は守るようにしましょう。
申告の場合、e-Taxで電子申告することで最大65万円の青色申告特別控除額を受けることができます。さらに受領書や添付書類の一部の提出が不要になるためメリットが多くあります。
実際に納税書の支払い期限は申告期限と同じです。振替納税に設定しておくことで、申告書の提出にともない、振替納税日に口座から納税額が引き落とされるため納付漏れを防止することができます。
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