2023年10月06
不動産投資の基礎
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投資物件は、一般的に不動産投資ローンを使う方が多いですが、現金一括で購入することもできます。
「現金一括で投資物件は購入できるけど、手元に現金があったほうが良いのかわからない」
「現金一括と不動産投資ローンのどちらが投資効果があるのか」
など、どの観点を優先して選ぶべきかわからない方も多いと思います。
今回は、現金とローンの活用のそれぞれのメリット・デメリット、現金一括とローンの判断ポイント、現金一括にするときの注意点を解説します。
目次(Index)
現金一括で投資物件を購入するメリットは次の3点です。
・毎月の支払いに追われない
・購入までの期間が短い
・物件の購入資金が抑えられる
何よりも物件購入でローンを組まないことで毎月のローン返済がないこと安心材料と考える方も多いでしょう。
さらに、不動産の取引では、現金一括購入できる方が優先度が高いので、早く購入できます。
そして、ローンを組むことによって利息と諸費用が少ないので、投資物件の購入コストが抑えられるのもメリットです。
一方で、投資物件を一括で購入するデメリットは以下の3点です。
・自己資金が少なくなる
・資金の回収に時間がかかる
・レバレッジ効果がない
手元の資金が減ることで、運転資金が極端に少なくなる点や資産の回収までに時間がかかる点は否めません。
不動産投資は、修繕費用や納税にかかる経費もかかるので運転資金を手元に残すことも大切です。
そして、不動産投資ローンを組むことで得られるレバレッジ効果がないので、投資効率がローンで購入するよりも劣ります。
手元の運転資金の確保や高い投資効果を期待したい方にとってはデメリットになります。
不動産投資ローンで購入するメリットは投資効果がある、予算が多いので条件の良い物件が選べるなどがあります。
不動産投資ローンで購入するメリット4点を紹介します。
・新築や築浅などの予算が大きい投資物件が購入できる
・レバレッジ効果が期待できる
・金融機関から信用力が認められる
・団体信用生命保険の加入ができる
不動産投資ローンでは自己資金以上に借入できるので、新築や築浅物件、人気のエリアなどの購入金額が高い物件に投資できます。
少ない資金で高い投資物件が購入できるので、レバレッジ効果が生まれて投資効率が上がります。
さらに、不動産投資ローンを組むと金融機関からの信用が認められ、収益性が認められれば次の融資に繋がります。
他にもローンを組むことで団体信用生命保険に加入ができるので、生命保険に入る必要が無いです。
不動産投資ローンで物件を購入するデメリットは下記の通りです。
・ローンの返済リスクがある
・ローン申込みに費用がかかる
・審査の結果次第で物件購入ができなくなる
不動産投資ローンを組むと投資物件が空室の時でも毎月の支払いをする必要があります。
そして、ローンを契約する際には、抵当権設定などの登記費用や融資手数料などの諸費用が現金購入よりかかります。
また、人気の物件を決めておきたい時にローン審査に時間がかかると他の希望者に物件を取られます。
結論、不動産投資は、「現金」か「ローン」のどちらが良いかという問いに正解はありません。
理由は不動産投資の目的や預貯金の多さ、物件の担保力など選択する要素が大きく異なるからです。
例えば、働き盛りの方は、積極的な運用を行いたいのであれば、ローンを組んで運用するのも良いですし、相続税対策で預金を不動産にする場合は現金購入が向いています。
この章では、どのような方が不動産投資の現金一括とローン購入に向いているのか解説します。
不動産投資の現金購入は、下記の方がむいています。
・余剰資金がある
・毎月の支払いを無くしたい
・人気の物件を早く確保したい
・相続税対策をしたい
投資物件を購入しても運用に回せる余剰資金がある場合は現金購入に向いています。
さらに、毎月の支払いを無くしたいなどのローンを組むデメリットに嫌悪感がある方や早めに物件を確保したい場合は現金一括の購入がおすすめです。
そして、相続税対策として現金で相続するよりも、不動産を保有する方が資産額が圧縮されます。
相続税対策が目的の場合は、わざわざローンを組んで購入するよりも現金一括で購入するほうが最適です。
不動産投資ローンで物件購入をするのが向いている方は下記の通りになります。
・安定的な収入がある会社員や公務員
・高収入で節税したい
・レバレッジ効果で投資効率を高めたい
ローンを契約するには、安定的な収入がある方が融資条件になりますので、会社員や公務員や専門職の方が最適です。
特に、年収500万円以上の方は、ローンを活用した不動産投資で節税効果が期待できます。
そして、不動産投資ローンを利用することで、レバレッジ効果で投資効率が高まります。
若年層や中年層で積極的な運用を希望する方は、現金一括購入より不動産投資ローンを活用するのが向いています。
現金とローンの選択基準は、市場金利と次の投資規模の拡大、購入物件の資産価値が決め手になります。
ローンを使う場合は、利回りと市場金利の状況や2棟目購入時の与信枠があるかが判断ポイントになります。
不動産投資で現金一括か不動産投資ローンを活用するかの判断ポイントを解説します。
イールドキャップとは、投資利回りと金利の差を指し、不動産投資では、経費を引いた月々の家賃収入と金利負担の差になります。
例えば、家賃収入により利回りが3%で金利が5%の場合、毎月利息を多く支払う計算となるので、融資を利用すると損失が出ます。
高い利回りで運用しているにも関わらず、ローンの利息で利益が残らない状況になると不動産投資を行う意味がなくなります。
投資利回りより金利が高い場合は、現金一括で購入し、売却益を狙って保有する方が戦略的と言えます。
1棟目の投資用物件を購入した際に、ローンの与信枠を使い切ると2棟目の物件購入時にローンが使えない可能性もあります。
次の投資物件で規模拡大を狙うためには、与信枠を使わないように現金で物件購入する方もいます。
しかし、2棟目の物件購入を現金で行う場合は、余剰資金が準備できることや、万が一の時のための資金が充分にあることが条件です。
不動産担保ローンか現金一括の購入判断は、投資不動産の資産価値も重要な判断材料になります。
資産価値が低い不動産をローンで購入すると、次の投資用不動産の与信枠がなくなり、次の投資規模の拡大がしにくくなります。
さらに、住宅ローンや車のローンなど、私生活で使う資金も借入できない可能性があります。
現金一括購入の場合でも、できるだけ資産価値が高い物件を購入することをおすすめします。
資産価値の高い物件は、共同担保に入れると、次の物件を良い融資条件で購入できる可能性が高いです。
投資物件をローンを組まず、現金一括で購入する際には、税務面で大きな影響を与えます。
例えば、住宅ローン控除などの不動産購入による税制優遇が受けられないなど、節税効果が高い制度の活用ができません。
特に、不動産などの高額な物を購入すると申告漏れを疑い、税務調査が入る可能性があります。
特に、生前贈与や相続税対策を考えて居る方は注意すべき箇所になりますので頭に入れて置くことをおすすめします。
投資物件を現金で購入した場合、住宅ローン控除を使うことができません。
住宅ローン控除は、自己居住のための住宅をローン購入した場合、ローン残高の1%までの所得税と市民税を13年間控除します。
所得税と住民税を13年間にわたり年間40万円の控除ができると大きな節税効果があります。
しかし、住宅ローン控除は、自ら居住する住宅の購入が対象なので、投資用不動産は控除できません。
住宅ローンを活用できない事によって、受けられない税制優遇や補助金があることも覚えておきましょう。
不動産に関わらず高額な取引を行った場合には、税務調査が入る可能性が高いです。
特に投資物件の購入を現金で行うと、税務署は申告漏れや虚偽申告を疑い、購入資金の出所などを聞き取り調査をします。
一番、税務調査が入りやすい可能性が高いのは相続で、相続税は税率が高いうえに申告内容に不備が多い傾向にあります。
税務署側も相続税は大きな税収が見込まれると考えるため、税務調査が入りやすいと言えます。
そして、不動産投資の場合、入退去が激しい年でも収益構造に大きな違いがないので、毎年の申告内容に変わりがない事が多いです。
しかし、本年のみ異常に経費申告が多い場合や、毎年大きな支出がある場合は税務調査が入る可能性が高いので気をつけましょう。
夫婦や家族複数人で資金を提供して不動産を購入し、不動産の所有者が一人の場合、税務署からお尋ねが入る可能性が高いです。
このような場合、税務署は贈与税の申告を行っていないのではないかと疑われます。
投資不動産を購入した場合、所有権移転の登記によって法務局から税務署に通知が行きます。
税務署からのお尋ねは、登記してすぐに連絡が入るわけではなく、忘れた頃に来る可能性があります。
贈与金で投資物件を購入した場合は、贈与税の申告を忘れないようにしましょう。
不動産投資に関する現金一括かローン購入のメリット・デメリットと判断ポイントと現金一括購入の注意点について解説しました。
現金一括かローンのどちらがお得なのかは、不動産投資を行う目的や投資傾向、年収や年齢などさまざまな要素があるので正解はありません。
投資物件の現金一括かローン購入の二者択一で迷う場合は、ローンの金利や投資物件の担保力、投資規模の拡大のタイミングが鍵となります。
そして、現金一括で投資物件を購入する際は、税制優遇や補助金が使えない、税務調査が入ることもあるので注意しましょう。
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