2023年05月10
不動産投資の市況・動向
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新型コロナウイルスの影響、ウクライナ情勢による経済影響、さらに円安の傾向で物価上昇が続く日本。
特に、不動産価格は都市部を中心に価格が上昇傾向にあります。
しかし、急速に少子高齢化が進む日本の地方の不動産価格は徐々に下落していくと予想されています。
さらに、2021年の東京オリンピック後と2023年の大阪万博開催によって、不動産の市況がどのように変化していくのか展望がきになるのではないでしょうか。
これから不動産投資を始める方、新しい投資物件を購入検討をしている方にむけて、不動産投資のこれからについて解説します。
目次(Index)
国土交通省から発表されている、2022年の地価公示は全国平均で住宅地・商業地の地価は2年ぶりに上昇という結果になりました。
これから不動産価格の上昇に向けて、住宅地やマンション、戸建て住宅の市況はどのような動きになるのかを項目にわけて解説します。
国土交通省による令和4年地価公示によると、2022年の住宅地価格の変動率は0.5%と緩やかに上昇しています。
新型コロナウイルス拡大の影響を受けた2021年の変動率はマイナス0.4%でしたが、徐々に住宅地の上昇は回復しています。
コロナ禍では、経済活動が鈍り、住宅購入が減る懸念されていましたが、コロナ禍のテレワーク需要によって戸建て住宅のニーズが高まったという結果となっています。
今後も、首都圏や地方都市の一点集中状況になっているので、緩やかな住宅地の価格の上昇も続くでしょう。
2022年の2月の不動産経済研究所の調査によると、首都圏の新築分譲マンションの販売件数が2万8,632件と前期比12.9%減と2年ぶりに3万戸割れとなりました。
近畿圏の新築分譲マンションも同様、販売件数が1万7,252件と前期比5%と2年ぶりとなり、平均価格が4,679万円、㎡単価が77.5万円も前年より上昇しています。
新築分譲マンションの市況は、地価の上昇やウッドショック、建材の価格上昇によって、コストが上がり、販売価格が高止まりしていると見ています。
そして、首都圏の中古マンションの取引件数が3万9000件代となり、過去の取引件数を更新し、成約物件価格も3,800万円台に上昇しています。
マンション市況は首都圏、地方都市ともに、価格の上昇が続くとみています。
戸建住宅の不動産市況は、2023年3月時点の首都圏の中古戸建の成約数が13,446件と前年より12.9%減という結果になり、成約物件価格は3,753万円と上昇しております。
新築戸建の成約数も同様に4,312件と前年より13.3%減と、2年連続で前年を下回っており、成約物件価格は4,128万円で前年より、5.8%上昇しております。
新築・中古戸建どちらも、成約件数が減少し、成約物件価格が上がっており、住宅購入希望者が購入に躊躇していると考えられます。
今後も新築・中古戸建ともに不動産価格は上昇傾向で推移するでしょう。
円安ドル高の時代の不動産は、少子高齢化や都市部の人口集中が大きな鍵となります。
さらに、少子高齢化によって、地方の不動産のニーズも大きく変わり、不動産投資に大きな影響を与えます。
この章では、今後の日本の社会情勢を含めた不動産投資に関する動きを解説します。
都市部の不動産価格が上昇していく一方、地方の不動産価格は下がり傾向にあるので、価格差は拡大します。
転入超過の都道府県は宮城、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、滋賀、大阪、福岡の11都府県で、他の道府県は転出超過の状態となっています。
転出超過の要因は、地方の若年層の都市部への転出が多い現状にあり、そのため不動産の取引数が減少し、価格が下落しました。
今後も都市部の人口が増加し、地方の人口が減少すると不動産価格に差が生まれると予測されます。
不動産投資ローンや住宅ローンの低金利政策は今後とも継続すると見込んでいます。
2023年3月にフラット35の適用金利が前月と比較して0.8%上昇していますが、大手バンクやネット銀行の住宅ローン変動金利は据え置き状態でした。
円安の影響で金利が上昇傾向にありますが、借入金利を上げると住宅購入に二の足を踏む消費者もいるので、金融機関の低金利政策は継続すると言えます。
変動金利に左右される不動産投資ローンの金利は、据え置き状態が続きますが、円安・物価高による、金利上昇に備えたローン戦略を考えた方が良いでしょう。
年々、人口が減少している都市郊外や地方の一部では賃貸ニーズが高まっています。
特に、外国人労働者の入居希望が高まっており、雇い側の企業が受入体制を充実させるために住居を確保する必要があります。
外国人労働者は農業や製造業、介護施設で受け入れており、地方都市に需要が集中しています。
そして、地方で賃貸ニーズが高くなるのが、民泊やサブスク住宅、小規模なビジネス需要などに対応できる賃貸物件です。
郊外や地方での投資を検討されている方は、賃貸住宅を中心として物件選定しても良いでしょう。
新型コロナウイルスによる感染対策により、一部のオフィスではリモートワークとなりました。
コロナ終焉後も、更なるリモートワークの需要と賃料に対するコスト削減によりオフィスの需要が減っていくと予測されています。
そして、企業側は床面積を狭く効率的な活用を狙うオフィス戦略と、採用ブランディングのために立地の良いビルへのニーズが高くなっています。
特に、渋谷や丸の内などのブランド力の高い立地の賃料は上昇傾向にあり、他の地域の賃料が下落傾向にあり、空室率も高くなると予測されます。
日本の高齢者は増え続けており、2022年の人口統計によると65歳以上の人口が3,627万人になっています。
日本の総人口における65歳以降の人口は、1985年に10%、2005年に20%を超え、2022年は29.1%と高齢化が加速しております。
2030年には高齢者が日本の人口の30%を超えると言われています。
それに伴い、高齢者の賃貸住宅ニーズが高まっていますが、不動産オーナー側としては突然死されるリスクもあるので、入居を断るケースが多いです。
今後の賃貸住宅は高齢者を積極的に受け入れる体制を整える必要があります。
高齢者を入居者として受け入れるには、見守りサービスや高齢者向けの家賃滞納サービスなどの拡充が求められてきます。
今後の不動産動向は、アフターコロナの影響や、オリンピック後の不動産動向も気になりますが、大阪万博の開催など大きなイベントも待ち構えています。
そして、2022年問題への影響や円安に伴う、金利上昇が懸念されています。
これからの不動産投資にどのような影響が予測されるのか、項目別に解説します。
不動産投資における、新型コロナウイルス感染症の影響は一時的なものでした。
人口が密集している都心からの転出が一時的に上昇していましたが、2022年には東京への転入が増え、再び一極集中状態になりました。
テレワークの普及によって、郊外への転出の影響で空室率が高くなるのではと懸念されていましたが、実際は東京都の人口は増え、転入超過の状態に戻っています。
コロナ禍が収束しても、都心への転入ニーズがさらに高まる傾向にあるので空室リスクの増加は考えにくい状況と言えます。
オリンピック後は首都圏や地方都市の価格が下落するのではないかという声がありましたが、不動産価格は上昇しています。
東日本レインズが発表した2021年7月〜9月期のマーケットサマリーでは、、中古マンションの成約㎡単価は前年同期比で9.3%上昇、戸建住宅は前年同期比で9.4%上昇しています。
今後はコロナ明けを見据えて、さらなる上昇トレンドになると予測されます。
都市部で物件購入を検討されている方は、上昇する前に早めの購入決断を検討した方が良いでしょう。
2022年問題とは生産緑地の指定解除に関する問題です。
市街化地域の農地は、生産緑地法によって農地として認定される「生産緑地」と、宅地に転用する「宅地化農地」の2つに分かれます。
市町村によって指定を受けた生産農地は、固定資産税が一般の農地と同じ納税額になる、相続税の納税猶予などが受けられるというメリットがあります。
しかし、指定を受けた生産農地は土地所有者の死亡で農業を廃業するか、指定日の30年を経過しないと売却できません。
生産農地の指定は1991年に開始された制度ですが、2022年に30年以上経過した農地が指定解除され、売り土地が大量に発生します。
指定解除された土地が大量に売却されることで、不動産価格の下落や賃貸マンションの増加により、空室率が問題視されています。
2025年の大阪万博の開幕で観光特需とともに不動産の需要も大きく高まると予想されています。
大阪府の他にも、周辺の京都府にも観光需要が波及し、ホテルや商業施設もの建設も拡充すると見られます。
そして、万博会場となる夢州エリア付近では、カジノを中心とするIR(総合型リゾート)も建設予定です。
さらに2027年以降は、東京ー名古屋間のリニアモーターカーが開通し、より東京ー大阪間へのスムーズなアクセスが期待されます。
大阪万博の開催予定により、さらなる関西、名古屋エリアの不動産価格の上昇は続くと考えられます。
東京オリンピック閉幕後、円安傾向になり物価上昇も避けられなくなりました。
金利も上昇せざる得ない状況にあり、超金利住宅ローンの金利が上昇する可能性もあります。
2022年の10月に1ドル140円を超える円安状態になり、ローン金利に連動する10年債金利が上昇しました。
しかし、金利が上昇をすると住宅購入が進まなくなり、不動産価格が下落することも懸念されます。
特に住宅ローンの金利動向は、短期プライムレートに連動する不動産投資ローンの適用金利にも関係するので、借り換えなどでローン戦略を検討する必要があります。
これからの不動産動向は、少子高齢化による人口減少によって大きな影響を及ぼします。
日本は、東京オリンピック後に1ドル140円台を記録した円安で物価上昇が続いており、金利上昇も予測されます。
そして、都市部と地方の不動産価格の差はますます拡大し、投資物件選定や売却のタイミングを慎重に考える必要があり、さらに金利上昇に備えてローン戦略も検討しなければいけません。
今後の不動産投資は、価格や金利の上昇によって、始めるハードルが高いと考えている方もいます。
しかし、コロナ禍が明ける時期が、物件選定や低金利の不動産投資ローンを契約するチャンスになります。
不動産価格と金利の上昇が期待できる今が、不動産投資を始める良い時期かもしれません。
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