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不動産投資で節税をするためには減価償却を活用する方法が考えられます。
減価償却は物件の用途や種類によって、減価償却期間が変動するため、事前に調べておく必要があります。
今回は不動産投資における減価償却の仕組みやメリットについて解説していきます。
減価償却(げんかしょうきゃく)とは、時間の経過によって価値が減る「減価償却資産」を経費として計上する際に用いる会計処理のことです。一般的に、購入したものを経費とする場合は購入した年にまとめて計上します。
しかし、事業で用いる建物や機械、器具といった減価償却資産は一括で計上するのではなく、決められた額を1年ごとに計上するシステムになっています。
例外として、減価償却資産の使用可能期間が1年未満もしくは取得価格が10万未満のものは「少額減価償却資産」と呼ばれ、取得した年に全額を経費として計上することが可能です。
不動産の場合、時間の経過によって建物の価値が減るので減価償却に含まれますが、土地は時間の経過によって価値が下がらないため減価償却に含まれません。そのため、土地などは非減価償却(ひげんかしょうきゃく)資産と呼ばれています。
減価償却資産の使用可能期間については個人の判断が難しいため、法的に定められた「耐用年数」を基準とします。
耐用年数とは、減価償却資産それぞれの構造や用途、種類などの観点から、使用できるであろう年数を予想したものです。国税庁の公式サイトでは以下5つのカテゴリーに分けて、減価償却資産の耐用年数を細かく記載しています。
例えば、れんが造・石造・ブロック造の建物(事務所用)であれば41年、時計は10年、切削工具は2年と定められています。
減価償却は時間の経過によって物件の資産価値が減ることを前提にしているため、実際には支出として出ていないにも関わらず、経費として計上することができます。
注意点としてはあくまでも減価償却費として経費計上できるのは「建物」の金額だけで、「土地」については時間経過で価値が減少するものではないので含まれません。
不動産投資の減価償却で節税効果があるというのは、損益通算で所得の赤字と黒字の相殺することができるからになります。
本来であれば1,000万円の収入なので1,000万円で確定申告をする必要がありますが、不動産収入のマイナスと相殺して500万円の収入で確定申告することができるため、給与取得から引かれすぎていた税金が返ってきます。
ポイントは不動産所得の赤字額を多くすることでより課税所得を少なくすることができます。特に不動産投資の減価償却で損益通算を用いた節税は給与所得が高い人ほど効果が出ます。
減価償却の計算方法には、「定額法」と「定率法」の2通りがあります。
定額法の計算式は至ってシンプルであり、「取得価額×定額法の償却率」にて割り出すことが可能です。償却率は耐用年数に応じて変動し、耐用年数が10年の場合は0.100、20年の場合は0.050となります。各耐用年数ごとの償却率についても国税庁の公式サイトより確認可能で、仮に耐用年数10年の減価償却資産を100万円で取得した場合、毎年10万円ずつ償却していく計算になります。
「取得価額×定額法の償却率」
今回は鉄筋鉄骨のマンションを想定して、法定耐用年数47年、償却率0.022で計算します。
1,400×0.022=30.8万円/年
上記の物件の場合、年間30.8万円の価値が下がることになるため、所得税の経費として計上することができます。
一方、定率法は「未償却残高×定率法の償却率」の計算式を使って減価償却費を割り出します。まだ消化できていない減価償却費に対して毎年一定の償却率をかけるため、初年度は償却する額が多く、年数を重ねるごとに減少。償却率は定額法と同様に耐用年数によって変動し、10年であれば 0.250、20年であれば0.125と決められています。
「未償却残高(取得価額-前年度までの減価償却累計額)×定率法の償却率」
例えば、1000万円の資産を10年間で償却する場合、1年目は200万円、2年目は160万円、3年目は128万円といったように毎年償却費が変動します。さらに償却率は不動産の取得時期によって異なるため確認が必要です。
定率法 | 取得時期 | 償却率 |
---|---|---|
旧定率法 | 平成19年3月31日まで | 耐用年数に応じて異なる |
250%定率法 | 平成19年4月1日~平成24年3月31日 | 定額法の償却率を2.5倍にした数値 |
200%定率法 | 平成24年4月1日以後 | 定額法の償却率を2倍にした数値 |
また、未償却残高×定率法の償却率の金額が償却保証額(取得価額×保証率)を下回った場合は、計算式が「改定取得価額×改定償却率」へと変更。加えて、償却額が償却保証額に満たなくなった場合は、その年以降から償却額が毎年同額になります。
簡便法は中古の不動産物件を購入した場合によく使われる残存耐用年数を求める計算方法です。耐用年数を算出方法として国税庁の公式サイトには下記の2つがあります。
法定耐用年数を超えていない:耐用年数=(法定耐用年数-築年数)+築年数×20%
法定耐用年数を超えている:耐用年数=法定耐用年数×20%
築10年の鉄筋コンクリート造の中古物件の物件を購入した場合、耐用年数は下記になります。
(47年-10年)+10年×20%=39年
定額法では新築の鉄筋鉄骨コンクリート造の新築マンションの法定耐用年数は47年、償却率は0.022になります。減価償却は建物部分の費用にのみ適応される点と注意しましょう。
1,000万円×0.022=22万円/年
築10年の鉄筋鉄骨コンクリート造の中古マンションと仮定します。中古マンションは購入時から年数が経過しているため、新築マンションの時と同様に法定耐用年数をそのままあてはめることができないので残存耐用年数を算出する必要があります。減価償却は建物部分の費用にのみ適応される点と注意しましょう。
47年-10年×0.8=39年
1,400万円×0.022=30.8万円/年
(2,800万円-30.8万円)×0.022=61万円/年
新築マンションの場合、国税庁が示している減価償却期間に当てはめるだけです。よくある新築マンションでRC造の場合、減価償却期間は47年になります。
構造 | 法定耐用年数 |
---|---|
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC) | 47年 |
鉄筋コンクリート造(RC) | 47年 |
鉄骨造 | 34年 |
軽量鉄骨造 | 19年 |
木造 | 22年 |
中古マンションで地区件数が法定耐用年数を経過していない場合、下記の計算式に当てはめることで減価償却期間を算出することができます。
耐用年数=(法定耐用年数-築年数)+築年数×20%
築10年で鉄筋コンクリート造のマンションの場合、下記になります
(47年-10年)+10年×20%=39年
中古マンションで地区件数が法定耐用年数を経過した場合、下記の計算式に当てはめることで減価償却期間を算出することができます。
耐用年数=法定耐用年数×20%
築25年で木造のマンションの場合、下記になります
22年×20%=4年
不動産の構造により法定耐用年数が決められているため、減価償却には期限があると考えましょう。仮に築年数が法定耐用年数を超えた場合、減価償却費が計上できないことを頭に入れておくことをおすすめします。
構造 | 法定耐用年数 |
---|---|
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC) | 47年 |
鉄筋コンクリート造(RC) | 47年 |
鉄骨造 | 34年 |
軽量鉄骨造 | 19年 |
木造 | 22年 |
デットクロスとはローンの元金返済額が減価償却費を上回った状態を指します。減価償却で経費計上できるのはローン返済額の利息部分だけであり、元金部分は減価償却できません。そのため、ローンを借り入れた直後は利息部分が多いため減価償却の効果がありますが、利息部分が少ないなると経費計上できないため節税効果が薄くなります。
投資用不動産は購入金額から減価償却費の合計を差し引いた金額で計算を行うため、購入時よりも高値で売却することはもちろん、購入時と同額で数十年後に売却したときに、売却益が発生している場合、課税対象となることが考えられます。
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