2022年11月21
不動産投資の基礎
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不動産投資における利回りとは、物件購入のための投資金額に対してどのくらいの家賃収入が得られているかを示した割合のことです。あらかじめ利回りを計算しておくことで、投資運用における成果基準となり、運用目標が立てやすくなる、金融商品が選びやすくなるといったメリットがあります。
利回りと言っても一般的に「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。「表面利回り」は年間の家賃収入と物件価格で割合を算出します。「実質利回り」は全体の収益から運用時にかかったコストを差し引いた金額と物件価格で割合を算出します。
不動産投資の表面利回りの計算方法は(年間家賃収入÷物件購入価格)×100の計算式で割合を求めます。
年間家賃収入÷物件購入価格×100=表面利回り(%)
では、不動産投資を例に挙げて計算してみましょう。
土地代や建物代などを含む投下資本が2,500万で、年間収益が120万円(毎月の家賃収入が10万円)と仮定します。上記の計算式に当てはめると、(120÷2,500)×100となり、年利回りは4.8%であることが分かりました。
(120万円÷2500万円)×100=4.8(%)
不動産投資の実質利回りの計算方法は(年間収入-年間支出)÷投下資本×100の計算式で割合を求めます。
(年間家賃収入-年間運営経費)÷(物件購入価格-物件購入経費)×100=実質利回り(%)
表面利回り同様、不動産投資を例に挙げて計算してみましょう。
物件購入価格が2,500万円で物件購入時の経費として不動産管理会社に支払う管理委託手数料、管理組合に支払う修繕積立基金などが180万円あるとします。
年間家賃収入が120万、そして固定資産税や修繕費、仲介手数料などを含む年間支出が15万だとします。上記の計算式に当てはめると(120-15)÷(2500+180)×100となり、利回りは3.9%であることが分かりました。
ROIとは、企業の収益性を測る指標のことです。「Return On Investment」の頭文字から付けられたもので、日本では「投資利益率」「投資収益率」とも呼ばれています。
簡単に言うと、投資したお金に対して、どれだけ利益が生まれたかを表す投資指標になります。
ROIは「利益金額(売上-売上原価-投資額)÷投資金額×100%」の計算式で割り出します。
「利益金額(売上-売上原価-投資額)÷投資金額×100%」
では、例として以下2物件のROIを割り出してみましょう。
A物件:1000万円の投資金額に対して400万円の利益
400÷1000×100%=40%
B物件:570万円の投資金額に対して250万円の利益
250÷570×100%=43.8%
Aの投資金額と利益を計算式に当てはめると「400÷1000×100%」となり、ROIは40%に。一方、Bの投資金額と利益を計算式に当てはめると「250÷570×100%」となり、ROIは43.8%だと割り出せました。両者を比較すると、Bの方が効率的に利益をあげていることが分かります。
このようにROIを用いることで、収益性を可視化できます。ROIが高いほどビジネスが順調に進んでいる証拠であるため、欧米諸国の投資家はROIの数値を最重要指標としています。なんと、一定の水準を満たしていない企業には投資しないと決めている運用主体も存在しています。
近年は欧米諸国に倣って、日本でもROIを判断材料とした投資が広まっています。ROIの高い銘柄は「Google」「Amazon」「マクドナルド」といった海外に多いため、長期投資を考えている場合は特に海外市場へ目を向けることが必要です。
また、収益を計測する際にはROIと似たようなワード「ROIC(投下資本利益)」「ROE(自己資本利益率)」「ROA(総資産利益率)」が登場します。これらは全て企業の収益性を計測するための指標ですが、それぞれ計算方法や意味が異なります。
ROICは、事業活動のために投じた金額「投下資本」に対し、どれほどの利益が発生しているかを示す指標です。「営業利益 ×(1–税率)÷投下資本(株主資本+有利子負債)」の計算方法で割り出せます。ROIとは違い、営業利益で計算しているため、企業全体で出している利益を把握できます。
ROEはROICと同じく、企業全体でどれだけ利益を上げているかを示す数値です。意味合いは同様であるものの、ROICが有利子負債を含めるのに対し、ROEは借金などの負債を含めない純資産のみで計算します。「当期純利益 ÷ 自己資本(純資産-新株予約権-少数株主持分)×100」で割り出すことができ、資産家が出資したお金を使ってリターンを最大化できているかを可視化できます。
ROAは、純資産や負債などすべて含んだ「総資産」からどれだけ利益をあげているかを測るものです。「当期純利益÷総資産」で数値を割り出します。どちらかというと、経営側よりも投資家側が使う指標です。
CCRは「Cash On Cash Return」の頭文字から付けられたもので、日本では「自己資本収益率」とも呼ばれています。投資金額に対してどれぐらい投資金額を回収できているか確認することができます。
CCRの計算方法は下記になります。
「年間シミュレーション÷投資金額×100%」
CCRはあくまで自己資金に対する割合になるため、投資不動産を購入する際に金融機関に不動産ローンを組むことが一般的ですが、このローン返済額等の借入金は含めないで計算します。借入金を含める場合、大きく数字が異なってくるので注意が必要です。
物件価格2,000万円、表面利回り5%、管理費10万円の投資不動産を購入する際に、自己資金のみで購入した場合と金融機関から不動産投資ローンを組んだ場合でレバレッジ効果を計算してみます。
まずは自己資金のみで投資不動産を購入した場合のROIとCCRを計算していきます。
計算する上での条件は下記とします。
ROI:100万円-10万円=90万円
90万円÷2,000万円×100=4.5%
CCR:100万円-10万円=90万円
90万円÷2,000万円×100=4.5%
自己資金で購入すると、レバレッジ効果がないのでROIとCCRは同じ値になります。
次に不動産投資ローンを組んだ場合のROIとCCRを計算していきます。
計算する上での条件は下記とします。
ROI:100万円-10万円-50万円=40万円
40万円÷2,000万円×100=2%
CCR:100万円-10万円-50万円=40万円
40万円÷400万円×100=10%
最終的に自己資金のみの場合、不動産投資ローンを組む場合で下記のようになります。
自己資金のみ | 不動産投資ローンを組む | |
---|---|---|
ROI | 4.5% | 2% |
CCR | 4.5% | 10% |
ROIは不動産投資ローンの返済があるため、2.5%減少になっていますが、CCRは5.5%増加しています。CCRが2倍程度になっているので、投資額の2倍のレバレッジ効果があると分かります。
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