IRR(内部収益率)とは?計算式や目安からNPVとの違いを解説

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  • 不動産投資ってどういう仕組みは?
  • 不動産投資のメリット・デメリットは?
  • 不動産投資のリスクは?
  • 不動産投資の他の資産形成の違いは?
  • 不動産投資はどのエリアがおすすめ?
目次

IRR(内部収益率)とは?

IRR(内部収益率)とは?

IRR(内部収益率)はInternal Rate of Returnの頭文字を取った収益性を測る指標の一つになります。初期投資額をどのくらいの期間で回収することができているのかを求めることができます。

IRRは「初期投資額の現在価値」と「将来得られるキャッシュフローの現在価値」が等しくなるための割引率になります。

お金の価値は時間軸によって変わります。お金は現在価値が最も高くて、将来のお金の価値が低くなります。お金は早く得られるほど再投資によって収益を増やすことができるため、将来よりも現在のほうがお金の価値が高いと考えます。

例えば、「今の100万円」と「10年後にもらえる100万円」ではお金の価値が異なります。「今の100万円」を仮に年利5%で運用することで、10年後には約163万円になります。つまり、「今の100万円」=「10年後の約163万円」は同じ価値ということになります。将来もらえるお金を現在の価値に置き換えて計算することを覚えましょう。

IRR(内部収益率)の計算方法

IRR(内部収益率)の計算方法

IRRの計算方法は下記の計算式を使います。

現在価値 ✕(1 + r)^n = 将来価値
※r:年利 n:年数 ^:累乗

現在価値=将来価値/(1 + r)^n】
※r:割引率 n:年数 ^:累乗

「^」は累乗を意味します。年利は利子に利子が付く複利計算になるため、「1.05^10」は1.05を10回掛けるため、1.05×1.05×1.05・・・1.63ことを表しています。

IRR(内部収益率)のエクセルでの計算方法

IRR(内部収益率)のエクセルでの計算方法

IRRはエクセルやGoogleスプレッドシートのIRR関数を使うことで簡単に計算ができます。エクセルやGoogleスプレッドシート上で「=IRR(範囲)」と入力することで求めることができます。

初期投資額はマイナスになるため、「-」を数値に付けることを覚えておきましょう。

収益
0-400,000円
1100,000円
2200,000円
3300,000円
IRR19.4%

今回の例では、IRRが19.4%になります。このようにエクセルやGoogleスプレッドシートの標準の関数にIRRがあるので、活用すると簡単に算出することができます。

IRR(内部収益率)のメリット

IRR(内部収益率)のメリット

投資期間全体を通じた収益が分かる

IRRの最大のメリットは投資を始めてからの投資期間全体を通じて、現在価値で収益性を測ることができる点になります。

不動産投資は家賃変動によって家賃収入が変わりますし、空室が発生して家賃収入が入らなかったり、大規模修繕が行われると費用がかかるなど、年間のキャッシュフローが年によって大きく変動することがよくあります。そのため、不動産投資を運用している投資期間を通じて、収益性を算出するのにIRRがよく使われます。

表面利回り・実質利回りで求めれない収益性が分かる

不動産投資では投資物件の資産価値を表面利回り・実質利回りで測ることが多いです。

表面利回りは「年間想定家賃収入÷物件価格」という計算式で求めることができます。計算式が簡単な分、管理費・修繕費・税金など運用する上で必要となる必要経費が含まれていません。

実質利回りは「(年間想定家賃収入-年間経費)÷物件価格」という計算式で求めることができます。実質利回りは表面利回りと違い年間経費を考慮しているため、より現実的な数値になります。

しかし、表面利回り・実質利回りともに物件購入から売却までの収益率は考慮されていません。最終的にどれくらい利益が生まれたのかという投資の成功か失敗かを判断する指標としてIRRは非常に有効です。

不動産投資だけでなく他の金融商品も比較できる

IRRは不動産投資以外の投資信託・積立型保険などの他の金融商品とも収益性を比較することができます。ポートフォリオを組んで資産運用されている方が多いと思いますので、リターンとリスクを考慮した投資計画を進めることができます。

IRR(内部収益率)のデメリット

IRR(内部収益率)のデメリット

投資規模を考慮できない

IRRのデメリットは投資規模つまり利益額の大きさを考慮できないことです。あくまでIRRは収益率だけを測る指標となります。

例えば、下記の表のように明らかに投資規模の違いがあって投資規模大のほうが合計収益額が多いにも関わらず、投資規模小の方がIRRの数値が高くなります。

投資規模大の収益投資規模小の収益
0-10,000,000-500,000
1200,00040,000
2300,00060,000
310,000,000450,000
IRR2%4%
合計収益額500,00050,000

長期的投資計画のIRRは低くなる

IRRは現在から近い時間軸で収益を上げているほうが数値が高くなります。

そのため、中長期的投資計画で多くの収益額を上げていても、短期的投資計画で一定の収益を上げている場合、比較すると短期的投資計画の方がIRRが高くなることもあります。

計算できない場合がある

IRRは投資期間中にマイナスの収益がある場合、求めることができないこともあります。計算ができない場合があることだけ覚えておきましょう。

NPV(正味現在価値)とは?

NPV(正味現在価値)とは?

NPVはNet Present Valueの頭文字を取ったもので「正味現在価値」と呼ばれる指標です。将来的に得られる利益の現在価値の合計額から初期投資額を引いた数値になります。

NPVは将来的にこの投資によってどれだけの利益が得られるかを確認する場合に使われます。

NPV(正味現在価値)の計算方法

NPV(正味現在価値)の計算方法

NPVにおいて現在価値は「PV」と呼ばれており、計算方法は下記の計算式を使います。

【PV=(n年後のお金)/(1+r)^n】
※r:割引率 n:年数 ^:累乗

もしかしたら、気づかれたかたもいるかもしれませんが、n年後のお金つまり将来価値はIRRの計算式と同じになります。

ただし、IRRは投資による収益の現在価値と将来得られる収益を現在価値に置き換えて等しくするための割引率を求めます。一方、NPVは差額を求めるため、「最終的にどれくらい収益を得たのか」を測る指標として扱います。

そのため、計算式では最後に将来価値から初期投資額を差し引いて算出します。

NPV = PVの総和 - 初期投資額

IRR(内部収益率)とNPV(正味現在価値)の違い

IRR(内部収益率)とNPV(正味現在価値)の違い

IRRとNPVについておさらいになりますが、IRRは収益性・NPVは差額を求める点で異なります。

IRRは不動産投資やその他の金融商品も含めて、「何に投資すれば良いか」を検討する際に使うのが良いでしょう。NPVは投資対象が「最終的にどれくらい利益を上げることができるのか」を確認するために使うことが良いでしょう。

そのため、IRRは1つの投資先を調べる、NPVは複数の投資先を比較するときに活用するのがおすすめです。両方ともの特徴を活かして活用してみてください。

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