2022年12月12
不動産投資の節税
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不動産投資は不動産収入により課税される所得税以外にも、多くの税金が課税されます。投資不動産購入時、運用中、売却時など、大きく3つのシーンに合わせて税金を支払う必要があります。
事前にどのような税金があるのかを知っておくことで、中長期的なシミュレーションがしやすく対策を講じることができます。
今回は不動産投資に関係する税金について理解を深めて対策方法をご紹介いたします。
目次(Index)
不動産取得税は土地や建物を購入して取得した際に課税される税金になります。基本的に4か月~1年程度で不動産取得税に関する納税通知書が届きますので、記載された金額を金融機関で支払う流れになります。
原則土地と建物は固定資産評価額の4%が不動産取得税になりますが、2024年3月31日までは建物部分だけは3%の軽減税率が適応されます。住宅か住宅用以外かで税率が異なります。
固定資産税評価額は固定資産台帳に記載された価格になります。固定資産税評価額は投資不動産を購入した時の価格ではないので注意しましょう。
土地と住宅用建物:固定資産税評価額×3%
住宅用以外の建物:固定資産税評価額×4%
登録免許税とは、不動産の登記手続きを行う際に課せられる税金のことです。具体的には売買や相続などに伴う所有権移転登記、所有権保存登記などが挙げられ、登記や登録を受ける者に対して納税義務が発生します。
納税額は「固定資産税評価額×税率」の計算式を用いて求めます。なお、不動産の価額は購入したときの金額ではなく、固定資産課税台帳に記載されている価額となるため注意が必要です。また、不動産が新築で固定資産税評価額が付けられていないといった場合には、登記官が設定した価額に税率をかけることとなります。
税率は、以下のように不動産の種類や内容によって変動します。
相続によって土地の所有権が移転する場合の登記においては、以下いずれかの要件を満たすと課税対象外となります。
また、登記する不動産が土地である場合は、軽減措置の適用が可能です。令和3年3月31日までに所有権の移転登記をする場合(売買によるもの)に限りますが、要件を満たした場合は税率が本則2%から1.5%に変更されます。所有権の信託登記の場合は、本則0.4%から0.3%の軽減措置が適用されます。
では、実際に軽減措置によってどのくらいの差が出るのか見てみてましょう。仮に固定資産課税台帳の価格が750万円で、売買によって所有権が移転したとします。計算式に当てはめると750×2.0%となり、登録免許税は15万円です。一方、軽減措置を適用した場合の登録免許税は12万となり、3万円ほど軽減されることになります。
登録免許税の納付は原則現金と定められていますが、オンライン申請の場合にのみ電子納付が可能です。また、税額が3万円以下である場合には収入印紙での納付が許されています。登録免許税に相当する収入印紙を購入のうえ、登記の申請書に貼り付けて登記所へ提出しましょう。
印紙税とは、契約書や領収書、手形などを作成した際に課される税金のことで、文書を作成した者に納税の義務が発生します。課税対象となるのは、「課税物件表」に載っている以下20種類の文書です。
印紙税額は、文書の内容や記載金額によって事細かく定められています。
例えば、不動産の譲渡等に関する契約書で記載された契約金が1万円以上10万円以下であれば、書類1通につき200円の納税が必要です。契約金が高額になるほど納税額も上がり、100万円以上500万円以下なら2,000円、1,000万円以上5,000万円以下なら2万円となります。納税方法は、指定された金額分の収入印紙をコンビニや郵便局で購入したのち文書に張り付けて消印を押す、税務署に課税文書を持ち込むなどがあります。
上記に挙げた20種類以外の文書は課税対象外となりますが、課税物件表に該当する場合でも非課税となる場合があります。国税庁が掲げる非課税文書の要件は、以下の通りです。
①の例としては、記載された契約金が1万円未満のもの、受取金額が5万円未満のものなどが挙げられ、これらの要件に該当すれば課税物件表記載の書類だったとしても課税対象外となります。②~④に関しては日本銀行や地方公共団体など、非課税法人等が作成者である場合のみ適用されます。つまり、要件に該当していたとしても、すべての人が非課税対象となるわけではありません。
もし印紙税を納めていない、納税額が不足しているなど事実が発覚した場合は、「過怠税」といって納めるべき額が増えてしまいます。基本的には本来の印紙税額の3倍を課せられますが、誤りを自己申告した場合は1.1倍に軽減されます。なお、過怠税として納めたものは経費として計上できないため、注意が必要です。
また、納めた税金が規定よりも多かった場合は「過誤納還付」といって、税金が戻ってくるケースがあります。還付を受けるためには「印紙税過誤納確認申請書」を記入し、所轄の税務署長へ提出してください。そこで過誤納の事実を認められれば、還付手続きが行われます。
固定資産税・都市計画税はマンションや土地を所有している人が毎年1年に1回支払いが必要な税金です。
物件所有者の売主が年の途中で売却しても、その年の固定資産税・都市計画税は売主に徴収がきます。これでは売主の負担が大きいので、買主が物件の引き渡し以降の固定資産税・都市計画税を負担することが多いです。
所得税・住民税は不動産投資によって発生した不動産所得に対して課税される税金になります。この不動産所得は家賃収入や物件の売却益などから諸々の経費を差し引いて計算します。
この経費を少しでも多く計上することで、所得税を抑えることができます。経費の中でも減価償却は実際の支出はないにも関わらず、赤字として経費に計上ができるため課税所得の圧縮が期待できます。
個人事業税は不動産投資の規模が大きい場合に所得税・住民税に加えて課税される税金になります。この不動産投資の規模としてはマンション・アパート5棟もしくは10室以上を所有している場合、個人事業税を支払う必要があります。
(家賃収入-経費-事業主控除290万円)×5%
事業主控除が290万円なので、複数の投資不動産を所有している人で不動産所得が290万円を超える場合に個人事業税の支払いが必要になると覚えましょう。
投資不動産を売却した利益にも所得税・住民税が課税されます。この時の所得税は譲渡所得税とも呼ばれています。
課税される税率は所有期間によって異なり、所有期間が5年以内は短期譲渡所得で39.63%の税率、5年以上は長期譲渡所得で20.315%と半分の税率になります。
亡くなった人の投資不動産などの財産を引き継ぐ場合、相続税が課税されます。
相続する現金を不動産に変えることで相続税評価額を減らすことが可能で節税効果が期待できるため、相続税対策として不動産投資を行う人が増えています。
不動産で相続する場合、相続する財産の合計が基礎控除額を超えた場合に限って相続税が課せられるので、不動産を相続すると必ず相続税が発生することはありません。
相続税の申告は被相続人の死亡を知った日から翌日10か月以内と期限があります。無申告で納税しないと無申告加算税など罰則により追加で課税されるので期限を厳守する必要があります。
(相続財産額-基礎控除額)×税率
基礎控除額は以下の計算式で求めることができます。
3,000万円+600万円×法定相続人の人数=基礎控除額
不動産投資における贈与税はマンションやアパートなどの不動産を別の誰かに贈与した場合に発生する税金になります。
贈与税は贈与した人ではなく、受け取る人に対して課税されます。
(贈与額-基礎控除110万円)×税率
税率は以下の表に当てはめて考えます。
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | - |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
減価償却とは、投資不動産の建物部分は時間の経過によって価値が減ると考えられており、その減った資産価値を減価償却資産として経費に計上する会計処理になります。
不動産投資によって得た不動産所得と経費を損益通算によって相殺することで、課税額を減らして節税効果を出すことを指します。
現金で相続する場合、相続する現金資産額分の税金が必要になりますが、投資不動産に置き換えることで投資不動産の購入金額ではなく固定資産税評価額が課税対象となりそもそもの課税額を抑えることができます。
より節税効果を期待するなら確定申告で青色申告をするのがおすすめです。
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告は税の優遇措置がありますが、白色申告にはないので、青色申告で確定申告をする方がメリットが大きいと考えられています。
申告時に必要な書類があり、青色申告には「確定申告書B」と「青色申告決算書」、白色申告は「確定申告書B」と「収支内訳書」の提出が必要になります。
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